先月、仕事で仙台に行ってきました。今頃になってこんなこというのもアレですが、震災後初東北です。というわけで、ちょっと時間を作って仙台の隣町に住む友人に会いに行きました。
福島の夕景。新幹線車窓より。
仙台から仙石線に乗り湾岸部へ移動。
友人夫婦と落ち合い、軽くドライブ。この工場も被害大きかったみたいなんだよねとか、このビール工場の巨大タンク、倒れちゃったんだよとか、このお店の壁、大きなタンクローリーが突っ込んで大穴が開いたんだよねなどいろいろ説明を受けました。新規に建て替えたお店や工場はほとんどなく、ほとんどが改修工事だけで営業を続けているという。その説明がなければこの街が本当に水没したのか信じられないほど普通の街でした。
その後、仙台港の南側に移動すると荒れ地が広がり始めました。
もともとここは水田だったようです。このあたりは海抜ゼロメートル地帯のようで、排水ポンプ復旧が終わっていないせいで耕作できないそうです。あと、海水をかぶったので客土しないといけないんだけど、それも終わっていないようでした。
このときはまだ食事をとる気分ではなかったので、私は生牡蠣だけいただきました。剥いてくれます。とてもクリーミーで普通の生牡蠣と岩牡蠣の両方のおいしさを併せ持った感じで、非常に美味しかったです。
しかし、見渡す限り山も高い建物もなく、5mの津波が来ると防災無線が聞こえてもクルマがなかったら避難しようがないですよね…
壊れかけた家もわずかにありますが、人が住んでいるのかわからない以前に、震災で壊れたのかも不明。
海水浴場に来てみました。このあたりは民宿や海の家が並んでいたそうです。階段状に見える堤防の向こう側が砂浜です。左に見える盛り土は土木工事の「見本」で、この高さまで客土する工事が予定されているそうです。
海は平和に見えるのですが・・・
この堤防に限らず海辺近くの人が集まる場所には必ず避難場所が明記されています。
その後、市場へ行ってみました。ここも当然水没したはずですが、そのことを感じさせるものはなにもありませんでした。この市場は早朝はプロ向け、その後は一般客向けという感じで営業していて、現地の人が集まる市場のようです。
名物のマグロ屋さんの社長さん。
このあたりは近海物生マグロの水揚げが日本一多いらしく、マグロがずいぶん並んでいました。
もちろんそれ以外の魚も種類豊富でした。
市場の一角に、どんぶりご飯を売るコーナーがあり、各店舗を回っておかずを調達して食べることができるようです。
そんな感じで友人とは別れました。彼の元来の明るい性格のせいもあるのですが、彼の中では震災はすでに過去の思い出話になっており、鉄板の持ちネタを披露された感すらありました。震災当時はかなりつらい生活だったはずなのですが、それすらも笑い飛ばせるようなそんな生き方が求められているのかもしれません。