ステーキを食べに、ちょっとアメリカまで。

肉をがっつり食べたくなる時ってありますよね。そういうときはやっぱりステーキが一番だと思うのですが、この年になると霜降り和牛のステーキは脂がくどくて、美味しく食べられるのは初めの2,3切れという感じなのです。(脂を落としながら食べる焼き肉なんかはもちろん霜降り肉がベストですが

というわけでここ数年は美味い米国牛に興味が移っています。個人的にはアメリカの高級ステーキ屋で食べるニューヨークストリップとかがお気に入り。とはいえ、日本でそういう肉を出す店はそれほど多くないんですよね。昨今の熟成肉ブームで、よい米国牛肉を出すステーキ屋は増えてきましたが、まだまだ少数派です。そんな中、以前から目をつけていたステーキ屋さんで、「2人以上でコース料理を頼むと1人無料」という企画を発見したので、ツマと行ってきました。

神谷町駅から飯倉交差点を右折し、ロシア大使館手前のおまわりさんが立っている角から路地を入る。ちょっと進んだ右手にそのお店はあります。


東京アメリカンクラブ。

アメリカ企業の日本支社長など、東京にいるお金持ちアメリカ人とその友人のための社交クラブ。ウワサによると、数百万円の入会金に加えて安くない年会費がかかり、メンバー2名の紹介がないと入れないという、我々庶民には無縁の場所。上階の体育館とおぼしきところで、お坊ちゃまがお遊びになってますね。

こんなところ、一生来ることはないと思っていたのですが、ステーキ屋さんだけは一般人でも入れるのです。今回の割引キャンペーンもそうですが、一般からの集客にも力を入れているようで。

入り口にたどり着くと、いかにもっていう雰囲気の巨大な黒人男性が話しかけてくる。

「よう、小僧。何しに来た?」

見下ろしながら話しかけられているので、こう言われているような気がして仕方ない(笑

レストランを予約してあると言うと、建物の中に案内される。


スポーツバー的なところを横目で見つつ、カードキーがないと開かない自動ドアを通り抜けてエレベーターへ。


目的階に到着。オシャレだ。青く光る棚には膨大な数のワイン。アジア系の女性の案内で席に着く。


モダンでありながら重厚な感じ。しかし、室内はかなり暗い。夜景を見るために暗くしてるんでしょうかね。三田方面が見えるんだけど、派手な夜景じゃないので、見てもそれほどうれしいわけじゃないんだけど、まあ、食事は夜景を見ながらの方がいいんですかね。


天井もオシャレ。


メニューはiPad。今回はコースは決まっていたので、メインの肉を決める。メニューは英語しかないのかと思わせておいて、下の方にスクロールすると日本語も出て来ます。


コースはシャンパンからスタート。


パンはブリオッシュに黒い塩。オシャレというよりはちょっと引いちゃうなあ(笑


マッシュルームのポタージュ。美味。マッシュルームの香りがすごく立っていて、ぜひ家でも作ってみたい逸品。


海老のソテーをクスクスにのせたもの。ソースの味付けが凝っていて美味しい。ステーキ屋ではあるけれど、こういう料理も美味しいというのがいいじゃないか。


サラダもオシャレ。色が悪いのは真っ暗な写真を無理矢理増感したからです。すいません。


ステーキ前に好きな色のナイフを選ぶ。こういう細かい心遣いがいいね。


ワインはどれも美味しいんだけど、一杯あたりの量がかなり少なめ。そして値段は恐ろしいほど高い…


テンダーロイン。要するにヒレステーキ。ツマは気に入っていたが、ちょっとあっさりしすぎかなと思う。食べていくうちに飽きてきそうな感じ。


こちらはニューヨークストリップ(ショートロイン)。微妙に脂ののった感じが美味。個人的には一番味のバランスがいいと思うんですよね。


ロゼ色に絶妙に焼かれたミディアムレア。美味しゅうございました。


デザートはニンジンが植えてある植木鉢という想定。ニンジン部分はキャロットケーキ、土の部分はチョコレートクランチで下はレアチーズケーキ。じょうろの中にはクリームソース。甘すぎないので、日本人でも食べられますが、まあ基本的にはアメリカ人が好きそうな味。


お客さんを見渡すと日本人だけのテーブルは少なく、外国人と日本人、外国人だけのテーブルが大半でした。お店の人も大半が外国人ですが、日本人の人もいました。あと、聞いてないので確かではないのですが、外国の方も少し日本語ができる人がいるんじゃないかという気がします。

味は思ったよりもよかったと思います。特にステーキ以外も美味しかったのが予想外でした。ワインも美味しいのですが、グラスワインが結構高いわりに量が少なく、かなり割高に感じました。ワインの値段はまあ非会員価格なのでそもそも割高というのもありますが、支払総額を考えるとコースひとり分無料でちょうどいい感じ。普通の金額ではちょっと再訪はないなあと感じました。まあでも、わりと特別な体験ですので、ネタとして一度くらい行ってみてもいいのではないでしょうか。